−おんがくとバラのその−
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【無農薬ってなんだろう?】 2007年5月19日記述


 2006年に二つのバラを育てました。ひとつはフロリパンダのニコロ・パガニーニ。冬に大苗を植え付け、春から一年間、咲かせました。もう一つはハイブリットティーのメルヘン・ケニギン。こちらは新苗を鉢栽培して、夏まで摘蕾し秋から咲かせました。今ではこのメルヘン・ケニギンも、ウッドデッキの脇に地植えにしています。


 メルヘン・ケニギンの方は、軒下栽培だったこともあるのか黒点病は出ませんでしたし、2006年度の天候も影響してか(多雨・日照不足だったと言えます)うどんこ病も出ませんでした。


 しかし、ニコロ・パガニーニは春から黒点病が出始め、晩秋には蔓延状態になりました。晩秋は病気の進行が遅いことと、なるべく葉を落とさずに翌年に備えたい都合があったため、どうしても葉を除去する「テデトール」は避けたかったこともありますが、それ以前に、黒点病の防除についてあまりにも知らなすぎたことが原因だと思っています。


 バイオゴールドバイタルを毎週のように散布していましたが、蔓延状態になった病気は食い止められません。黒点病が広がっていくニコロ・パガニーニをなんとかしたいと考え、まずは市販のハンドスプレータイプ農薬を試したけどうまくいきませんでした。そのあと、色んな方の実践で木酢液がいいということで、100倍程度で散布しましたが改善は見られず、ある本を真似して20倍程度で散布したところ、葉が焼けたような薬害が出ました。


 これらの実践から、私は『農薬派』、『無農薬派』などの立場とらない、ニュートラルな立場で、実践の結果をふまえて次の実践をしていく決心をしました。色んな方の実践を読んだり、本を読んだりしましたが、その中で、環境に優しい栽培方法のキーワードでもある『無農薬』ってなんだろうという疑問が大きく膨らんできました。


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私は、さまざまな実践報告を読んだ結果、世に言われる『無農薬』栽培とは、以下の3つに大別され、場合によってはそれらを組み合わせた方法・立場をとることだと、今のところ理解しています。


即ち、
  1. 製品化された資材を一切使わず、自然界に存在するものだけで栽培する方法。

    • ムシが出たら手で取る、病気の出た葉を手で除去する。

    • 堆肥づくり、土造りを念入りに行う。

    • 他の動植物の力を取り入れるなどして、特定の病気や害虫が蔓延しない状態を作る。


  2. 『無農薬資材』とされる資材を農薬の代わりに使用する栽培方法。

    • 資材を葉面、または株元に散布して、病害虫の予防または殺菌、殺虫等を行う。

    • 多くの方は、上記1と併用している場合が多い。


  3. 放任栽培

    • 病害虫が出ても放っておき、自然界の調和によってバランスが保たれるのを待つ。

    • 農文協刊『土壌微生物の基礎知識』(西尾道徳)によると、連作障害による病気の衰退ということが、多くの作物について、7年以上経過すると見られると記述されている。ただしこれは、農作物についてであってバラについてではない。また、農作物という性格上、さまざまな耕種的防除措置は取られているものと思われる。


 大きく分けて上記3タイプに分けられると思っています。
 ・・・もうひとつありました。『放置』ですね(^◇^;) ま、これは例外でしょう。


 上記1を実践していらっしゃる方はたくさんおられ、素晴らしい結果を残している方もいます。3の放任栽培と同様、落ち着くまでは病害虫が蔓延することもあり、まさに我慢と根気が必要な世界です。また、決定的な短所として、隣人にバラ栽培をしている人がいると、どうしても隣人にとっては悪影響を及ぼす可能性が出てくる、ということがあげられます。


 ↑この絵はちと強烈すぎますが(^◇^;)、ご近所にとってはこのように感じる方もいると私は理解しているんです。特に、住宅密集地ではなかなかこの手の実践は理解されないことの方が多いようです。


 しかし、環境によっては実践してみる価値の高い栽培方法だと私自身は考えています。心に余裕があれば、7〜8年は腰を据えて試してみたいところです。うちは畑のど真ん中ですし(^^)。。。



 上記2を実践している方も結構たくさんいると思われます。私の考えなのですが、この実践については、さらに2タイプに分けられる気がするのです。


 即ち、
  1. 無農薬資材による無農薬的アプローチ

    • 殺菌、殺虫のメカニズムがいわゆる'農薬的'でない方法。たとえば、自然界にあるなんらかの物質を散布することによって、糸状菌を抑える有用菌の活性化が期待できる資材等。


  2. 無農薬資材による農薬的アプローチ

    • 農薬として登録されていないだけで、殺菌、殺虫のメカニズムがいわゆる'農薬的'な方法。医薬品である殺菌剤を希釈してうどんこの殺菌を行うとか、木酢液を高濃度で散布するとか、アブラムシに牛乳を噴霧するとか、です。

    • 農薬は、耐性菌や抵抗性害虫の出現率や薬害の起こる可能性などを、お金をかけて長年にわたり研究し、「使用方法」を明記して販売されるのに対し、これらの方法は、そうした「害」については実践している人のデータを待つしかなく、一般人が緻密なデータを元に安全性を導き出すことはまず難しいというところに問題があると思っています。
 こうして見ていくと、結構『無農薬』って大変そうです(^◇^;) 素晴らしい実践をしている方々のレポートを読んでみても、その方のその庭に応じた、栽培数に応じた実践であり、一部だけを読んで真似をしてみると大変な目にあったりします。それを覚悟でやってみる価値は大いにありますが、続けていくのはとても大変です。


 『農薬』という言葉には「自然や人間に悪いもの」というイメージがあります。なるほど、農薬は毒性があるから殺菌・殺虫ができるのだし、匂いがきついものもあるし、使い方によっては危険であり自然や健康の害にもなりうるでしょう。しかし、それらの害についてしっかりと研究されているからこそ『農薬』として登録されます。無農薬資材の中にも危険な物質が存在することは間違いありませんので、もしも無農薬資材を使おうとするなら、その安全性については各自研究しないといけないのかもしれません。うーん大変だ。。。


 だから私は、いったん自分をニュートラルな立場において実践を積み重ねていこうと思っているんです。どちらの立場にも、素晴らしい実践をしておられる方々がたくさんいらっしゃいますので、その方達のレポートを楽しみにしながら、私も素敵なバラを咲かせることができるよう、一歩一歩進んでいきたいと考えています(=^0^=)!