−おんがくとバラのその−
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【ニュートラル農法】 2007年5月1日記述


 このホームページ開設にあたって、私のバラ栽培の基本理念をまとめておくことは、今後、自分の実践がどのように動いていったにしても、その手始めがどうであったかを振り返る意味を含めて有意義なことと思って、このような題目で書いてみることにしました。


 「ニュートラル」というのは、今の私にとって、別の言葉に置き換えると「ゼロ地点」という意味です。これは、私の座右の書である『般若心経』の「空」の境地とも言えます。


 『般若心経』には、ご存じの方も多いと思いますが、有名な一節があります。即ち、「色即是空」です。これは、今起きている全てのこと、目に見えている全ての物は、実は「空」であるという真理を表す言葉です。この言葉の哲学的な意義は別の機会に譲るとして、私はこの境地はとても素晴らしいものであると考えています。


 しかし、雑念や煩悩にまみれた私にとって、『色即是空』の境地に達することなんて、夢のまた夢。実際には、小さなことに怒ったり悩んだり悲しんだり、はたまた人に迷惑をかけたりの毎日。三歩進めた日があっても、次の日に四歩後退するような毎日。。。(^_^;


 そんな私にとって、『般若心経』の言葉の中で、もっとも救われる思いのする言葉が「心無けい礙」です。この言葉は心にこだわりのない状態、心に「あれをしてしまったからダメだ」とか「あれは失敗だった」だとか、そういう心に引っかかっているマイナスイメージは、結局のところそんなものはないのだ、悩むことなどなにもないのだ、ということを示す言葉。


 日々悩み、日々人に迷惑をかけ続けている私は、不徳な行為が加算されていく毎日を送っています。しかし「心無けい礙」という言葉は、それらを帳消しにしてくれます。そしてそこに現れるのは「空」即ち「ゼロ地点」です。ゼロ地点というのは、右にも左にも動ける位置、即ち「ニュートラル」な立場。私は常に、自分をこの位置に置いておきたいと考えています。


 バラ栽培にあたっても、自分を「ニュートラル」な立場においておきたいのです。


 世の中には、バラを育てるのにも、いろんな立場・考え方の人がいます。時には、立場の違う人同士がいがみあっている場合さえあります。なるほど、生きているものを育てていくには様々なアプローチがあるのに違いありません。しかし、美しいバラを咲かせるという本来の目的を考えると、人といがみあうなんて本末転倒以外の何ものでもありません。自分のやり方が一番正しいなんてことはないですし、人のやり方を「それは間違っています」なんて言ったって、実践している人にとってはそれが最もベストなやり方かもしれませんし、いちがいに「間違っている」とは言い切れないものです。


 私は、自分の実践を常に「空」の位置に置いておきたいと考えています。0地点での実践。自分がやろうとしている行為に対して、異論反論があるのならそういった意見をよく調べ、その上で実践していく。そしてその結果を自分なりにまとめて次回に活かす。これが私にとっての0地点での実践、すなわちニュートラル農法です。


 ニュートラル農法。
 これがしっかりした形になってくるためには、きっと10年も20年も、あるいはそれ以上かかってしまうかもしれません。私は常に、自分が偏ったアプローチをしているかもしれないという危機感を持ちながら、バラ栽培をしていこうと思っています。そして偏っていたなら、違う極側のアプローチを研究しながら、常にニュートラルな立場でバラ栽培を実践していきたい。このように考えています。


 でも、きっとこんな偉そうなことを言っていても、そのうち偏った実践をしはじめるに違いありません。私の実践に偏りが見られましたら、どうぞ教えてくださいね(^_-)-☆